会員の菅原宏一(福島県)さんより映画「夢みる給食」の推薦がありました

2025年02月21日(金) 12:00 pm @ zennoken  -  No Comments

映画「夢みる給食」を是非ご覧ください

福島県 菅原 宏一

一昨年は千葉県いすみ市で昨年は埼玉県嵐山町・小川町で、オーガニック給食と有機農業に関する知見を深めたわが全農研ですが、オーガニック給食の意義とその歩み・現状の理解を助けてくれる良い映画ができています。2024年2月公開の「夢みる給食」(オオタヴィン監督)です。農業や給食の現実を巡る批判も込められていますので、スポンサーは望むべくもなく、実行委員会形式主体の自主上映会で観客を拡げています。

鹿児島県薩摩川内市の「すくすく保育園」園児の食欲旺盛な昼食給食風景で始まる映像は、その秘密はどこにあるのかと観客の関心をそそります。オーガニック給食を実施している自治体首長の思いや、健康や疾病予防の観点から食事の重要性を説く医師たちの談話等を挟みながら、美味しそうに頬張る幼児・児童たちの給食風景が紹介されて行きます。

その中で、いすみ市の全校有機米給食のシーンでは、一昨年の全農研大会で出会った、太田洋いすみ市長・鮫田晋同市農林課職員・矢澤喜久雄有機米生産組織みねやの里代表、そしてみねやの里の有機米水田管理を指導した故稲葉光國全農研会員(「民間稲作研究所」代表)が登場します。2013年の第43回全農研大会の舞台だった佐渡市のトキの復活と「トキ認証米」も取り上げられ、いすみ市の有機米栽培のきっかけは兵庫県豊岡市(第45回全農研大会開催地)のコウノトリの里のような地域づくり目指したことでもありました。そして、自治体首長のトップダウンではない地域住民の下支えで実現したオーガニック給食として、福島県喜多方市熱塩加納町(2010年第40回全農研開催地)の故小林芳正氏とまごころ野菜の会・共同調理場職員等の30年にわたる「熱塩加納型給食」の取り組みが、映画後半の大きな部分を割いて紹介されています。

この映画を私は、昨年12月16日に「喜多方市オーガニックヴィレッジ宣言1周年記念」上映会で観ました。会場には、故小林芳正氏の奥様和子さん・ご長男芳行氏、それに第40全農研大会共催者「まごころ野菜の会」代表・山口潔氏もお見えだったので、懐かしく挨拶を交わしました。第40回全農研大会後、私的に「共生塾」(有機自給菜園の会)で小林芳正氏に師事し、氏の業績を本に残したいと思い、全農研ゆかりの境野健兒・中島紀一両氏のご協力を得て、「有機農業と地域づくり 会津熱塩加納の挑戦」(2017年筑波書房)の上梓を実現した私(プロデューサー役)でしたので、熱塩加納型給食の紹介部分では涙をこらえることができませんでした。

私の思い入れはともかく、この映画の多くの部分が我が全農研のここ15年の足跡と重なるところは、確かな歩みだったと振り返ることができ、子どもの基本的人権保障として、安心安全な無償給食を全国に実現させることにつなげる責務が見えてくるでしょう。

「夢みる給食」でWebを開くと、「上映会 鑑賞スケジュール」と「自主上映 開催お申込み」のボタンが表示されます。全農研会員の皆様には、是非ご鑑賞をお勧めします。

(2025年2月記)

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