福島だより-2011~12年冬-福島:菅原宏一 会員より

2012年02月03日(金) 8:41 pm @ zennoken  -  以下コメントは

 1月28日、福島県庁を訪れた平野達男復興相は、佐藤雄平知事と会談し、知事が要望していた県内の18歳以下の医療費無料化を、「医療制度の根幹にかかわる問題」と見送る政権の方針を伝えた。放射線被曝が福島の子どもたちの将来の健康を脅かしているときに、国として特令を発動してでも真正面から向き合うべきと憤りを禁じえない。知事は、単独で無料化を導入する方針を示した。

    1月下旬、当地としては珍しく降雪続きで毎日雪かきに追われている。積雪の遮蔽効果なのだろうか、発表される福島市の空中放射線量の値がここに来て大きく下がった(元旦:0.9→1月31日:0.65μSv/h)。空中放射線量の値はともかく、事故原発が撒き散らした放射能は、いたるところで市民生活に大きく影を落としている。

   埒もない小生の定年帰農生活でさえ大きな狂いが生じてしまった。まず、田舎暮らしの醍醐味である野遊びが×。春の山菜、夏の渓流釣り、秋のキノコ採り、全て獲物が放射能汚染の恐れ有りということで御法度に。残されたのは冬のスキーだけということで、12月下旬から週1のペースで出かけてはいるが、他県からの修学旅行生の姿は皆無で一般客も少なく、リフトや食堂なども全施設開放とはなっておらず、うら寂しいばかりだ。

  野遊びと並んでの大打撃は、有機無農薬の自給菜園だった。圃場外から草や落ち葉を持ち込むことははばかられ、堆肥作りが暗礁に。石灰代わりにしていた薪ストーブから出る木灰も散布不可に。この冬は、貴重な有機資材である生ゴミと木灰を、“可燃ごみ”として市の焼却炉に送っている(晩秋には落ち葉も同じ扱いをした)。健康的循環型農法は放射能により抹殺されたままだ。我が家の手作り加工品の超主力、干柿も放射能により抹殺されてしまった。昨年11月、福島市にも柿の乾燥加工・出荷自粛令が出されたからだ。例年なら3000個以上の干柿のスダレが2階のベランダを埋め尽くし、歳暮として叔父・叔母や友人に送って喜ばれ、二次加工品の柚子柿巻きは境野米子さん(全農研第40回福島大会シポジウムコーディネーター・境野健兒氏夫人)のブログ上でお褒めいただいていたのに・・・。枝もたわわの柿の実が収穫されずに雪の中で朽ちている、むなしい光景をこの冬はあちこちで目にする。

雪中で朽ちるのを待つ蜂屋柿

(1月31日記) 

福島県福島市在住  菅原 宏一

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  1. 青柳和明

    12 years ago

    お久しぶりですo(^▽^)o

    福島県の近況が分かりました。
    力に成れる事、必要な物が有りましたら
    遠慮せずに連絡下さい‼
    僕も消防団(成田市代表)にて、日々訓練に励んで居ます。


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