会報231号

2012年07月31日(火) 10:21 pm   会報

         「シルバー農園生きがい」で中山間地農業の活性化を                                    小塚 善三(岐阜) 今年で中津川市立阿木高校を定年退職して、現在恵那市岩村町(中津川市阿木のすぐ隣)にある果樹園(リンゴとナシの栽培)の一員として農作業に従事しています。 この果樹園の特徴は、その創始者の一人である西尾源彦氏の言葉に「後継者不足・過疎化・高齢化・転作などによる意欲の減退がすすみ、幾百年も百姓の汗のしみこんだ田畑の耕作放棄が増加する状況は耐えられないものです。行政や経済機構に不平をいうだけでは解決しないし、当面できそうなことをできる者で始めようと仲間に呼びかけ、果樹生産組合「豊楽園」を設立しました。中山間地の農業の活性化は、若い後継者がいないから、農業では生活できないと責任を転化している限り進まないと思われます。今ここに生活している者が知恵を出し合い、力を合わせて行動することが前提であり、そこから、また新しい運動が起こってくるものと思います」とあるように、農業を何とかしたい、地域の活性化を高齢者も含めて考えたい、との思いで「シルバー農園生きがい・豊楽園」と名付け、永年生の果樹をあえて栽培することにより、生きがいとやりがいを持って取り組もうとされたものです。昭和60年ころに、3名の組合員で始められ、現在では当初の組合員は1名となり、その方も高齢のため引退され、一時は存亡の危機もあったのですが、3名の方々の息子さん夫婦が中心となり、なんとか支えて、現在に至っています。  現在の中津川市阿木の人口は2600人、そのうち児童の割合は9%、高齢化率は34%で10年後の予測では47%となり、この点だけとらえると限界集落に近づく状況にあります。地域ではなんとか活性化を図るために「まちづくり・むらおこし・いきいきねっと」という組織を作り取り組んでいます。阿木高校もその活動に参加して地域とともに歩む取り組みを進めてきました。このような取り組みの中で、地域を発見し、人々の新たなつながりが生まれると思います。退職後の私の取り組みもそうした地域の活性化の一助になればと考えています。全農研の退職者の多くが、農業と関わり農業問題に正面から取り組んでいます。そうした取り組みとともに、自分の好きな果樹の栽培を生きがいにして、第二の人生を楽しみたいと考えています。 ────────────────   もくじ──────────────────  巻頭言:小塚善三・・・・・・・・・・・・・・1実践記録 6 高坂繁富  7 池上秀平・・・・・2・6「FFJ公開質問状」の結末:事務局・・・・・・8 農業クラブ改革のその後:影 治郎・・・・・・8放射能汚染を土から除き有機農業を稲葉光國・・10会員通信:可児昭治 ・・・・・・・・・・13会報NO.230・研究誌35を読んで・・・・・・・14農業のメッカ「八郷」、茨城大会にぜひ参加を・・15

会報228号 巻頭言

2011年12月16日(金) 7:29 pm   会報

第41回大阪大会を振り返って
                                                  高 尾  守(実行委員長代理)
   昨年の福島・熱塩加納大会の総会で、急遽来年度大阪で全農研大会を引き受けることになり、奥さん、赤木さんと私の3人で不安を抱えつつ承諾したものの、何をどう取りくんで良いやら全く白紙に絵を書くようなものでした。
 大阪に帰り3人で2010年9月1日より奥先生の原案に基づき、それぞれ分担して準備し、9月4日に第1回現地実行委員会(準備)を開いたことを鮮明に記憶しています。まず、どんなテーマにするか、どんな会場で・宿泊地は、予算は、講師・パネリストの選び方など、タイムスケジュールを立てることから始めることにしました。
 実行委員会も3人では荷が重すぎると、20年前に農芸高校で開かれた大阪大会当時の経験者、外山先生に加わっていただくこととし、さらに若手のホープ中島先生(農芸高校)にも参加してもらい5名体制で取り組むことができました。
  取り組む中で、最初から最後までつきまとった悩み(課題)は、現職の中学校技術科の先生にどれだけ参加してもらえるかでした。それは、昨年頃から大阪府は南部地域では農芸高校で、北部では園芸高校で、各市教育委員会が独自に無料で技術講習会を開いていることを後で知ることとなったからです。
   奥さんや赤木さんは各種講演会に出かけて、府下中学校技術科の先生に参加の呼びかけのビラを配布したり、インターネットで 呼びかけをしました。私も独自に近隣市町の中学校へ手紙で呼びかけました。
 今回の大阪大会のまとめでは”新しい境地を開いた大阪大会”と位置づけております。西村先生の「記念講演」、土屋先生は「シンポジュウム」「実技講習後の受講者との交流」のコメンテーターを引き受けてくださいました。これまでの現地見学会を取りやめ、やや盛り沢山でしたが、お二人の協力を得られたことが大きかったと思います。
 全国の運営委員の方々には、イメージのわきにくいテーマの取り組みでしたが、何とか無事にすすめることができ、心よりお礼申し上げます。なお、ご都合で欠席された実行委員長の外山保会員から大会用にとご寄付をいただきました。
      ―もくじ―
大会を振り返って:高尾 守・・・・・・・・・1
生物育成実践の手引き:鮎沢義雄・・・・2
分科会報告 Ⅰ・Ⅲ・・・・・・・・・・・・・・・3
        Ⅱ・Ⅳ・・・・・・・・・・・・・・・6
実践記録:渋谷清孝・・・・・・・・・・・・・・9
全農研の夕べ報告:赤木俊雄・・・・・・13
会員通信:小林弘美・藤原和正・・・・・14
         宮崎堅正・・・・・・・・・・15
運営委員長就任にあたり:鮎沢義雄・・・16